博士号取得

大学院で学ぶこと。大学院に行くメリットは?その5 博士号を取ってできること。

大学院に行くメリットの1〜4を以前書きました。それに加えてもうちょっと明確に博士号ってなんのために取るのというとそれは研究者のためのライセンスです。「研究」をお仕事にしたいのであれば博士号は必須とも言えるでしょう。

過去の記事は以下をご覧下さい。

博士号取得

博士号は研究者になるためのライセンス

博士号はある程度の研究成果をあげることで授与される学位ですが、博士号を取ったからそれで研究が終わるわけでは当然ありません。

博士号を取得した後に企業の研究所や大学で研究を続けていくことになる方が多いと思いますが、博士号を取得したそこから研究人生を進めていくスタート地点になるのです。

博士号はすなわち「研究者として一人で研究ができるよ」と大学が認めてくれたというライセンスであり、これを持っていて初めて企業などでの研究者採用の窓口に連絡することが出来ます。

研究者の採用情報はJREC-INなどにまとまっていますが、研究員の募集をみると応募資格に

・着任時に博士あるいはPh.Dの学位を有する方(取得見込みの方も含む)

といった表記があると思います。これがライセンスといっている意味です。

同時に「同等の能力を持つこと」などといった表記があることも多いです。ですが、同等の能力をどう測るかというのはなかなか難しいので、これまで多くのジャーナルなどの研究成果を持っている等がなければ認められないので別の研究所などでの研究経験が必要となります。

では、別の研究所での研究経験はどうやって獲得するのでしょうか。研究経験と言ってもこういった応募で求められる経験は、論文でいう筆頭著者としての業績です。誰かの補助をしていたということでは主体的に研究を進められるというエビデンスにはならないので、自分で研究を進めてきて、その結果が認められていますよということを提示する必要があります。

このような成果を得るためには、おそらく研究補助員として研究をサポートし、その結果の共同発表を繰り返すうちに、自身で実施した補助の部分の成果が一つのまとまりとして論文にまとめられる状況にまで成長し、それを論文として発表をするというパターンかと思います。

もちろん一つの研究でそういった結果を得られることもあるかも知れませんが、複数の論文成果が求められることもあるので一朝一夕というわけにはもちろんいきません。

そもそも、研究者を目指すのであれば、大学で教授と一緒に研究を進め、自身の考えをメインの切り口にして論文を発表していくのが近道です。研究員を目指して補助員になるというのはなかなか大変な道だと思います。

企業に在職しながら博士号を取得する人もいる

ただ、企業での研究を行っていくうちに博士号を取得しようという人もいます。それまでに行ってきた研究をまとめていくと博士号が取れるくらいのボリュームになるのではと先輩が思ってくれたり、大学との共同研究の中で大学の先生がそれでいけるんじゃない?と声をかけてくれることはあります。

ただ、昔は論文博士といって外部発表論文と博士論文だけ出して博士号を取得することができましたがどんどん難しくなってきています。そもそもお仕事とは別にそれだけの時間をひねり出すことが可能な人はなかなかいないと思います。

研究職を目指すのであれば博士号の取得を目指しましょう

ということで、研究をお仕事にしたいのであれば最初から大学での博士号取得を目指すべきです。あとからやはり研究をしたいという人ももちろんいてそういった方は先ほど書いたとおり在職しながら博士号を取れるようがんばる人もいるのですがなかなか大変です。

最初から研究者になりたいという人は博士号の取得を学生のうちから計画しましょう。

なお、企業や大学によっては研究の補助として研究員と同じようなことが出来るところはあります。うまくそういった職場に就職できれば、お仕事として論文を書いて博士号の取得を目指すことは可能と思います。

この場合お給料をもらいながら博士論文の執筆を進められるので非常にメリットが大きいですが、こういった職場をみつけるのはなかなか大変だと思います。

それともう一つ、大学ではある程度好きな研究ができますが、企業ではその企業が望む成果を得るための研究しかできないところも注意点の一つです。

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