先日錯覚資産について紹介する【人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている】を聴いて初めて錯覚資産という言葉に触れたのですがまさに錯覚資産にだまされていたなと感じてしまったことがありました。相手は人ではなくて業者さんです。日本を代表する自動車のメーカーのディーラーにて自家用車の整備をお願いしていたのですが、その対応のあまりの悪さについに付き合うのをやめたのでした。
「錯覚資産」という言葉はしばらく前に非常に流行ってテレビでも取り上げられたそうですが、恥ずかしながらひいらぎやは全く知りませんでした。人は誰でもあの人はあんな実績があるから、今後もきっとすごいことをしてくれるだろうというある種の思い込みが[…]
実際に何があったのか
それは車検の対応でのことでした。時期が来たのでと担当の営業から連絡があり車を預けて代車を借りてきました。まずは点検と見積もりを作ってくれると言うことでその日のうちに連絡をくれるとのこと。本日何時なら電話が出られますかと言うことだったので、知人と会食があるので17時までならと回答して帰ってきたのでした。
そして、その晩の出来事です。17時までには連絡が無かったのできっと明日かなとおもい知人と楽しく食事をしていました。
18時過ぎに電話がなりました。担当の営業さんの電話番号です。電話を取ると声が違うのでどなたかなとおもったら作業担当の若い子が代わりに電話をかけてきたようです。ざっと見積もりの額を確認するだけかなと思って値段を聞くとお勧めの作業を全部含めると22万円とのこと。
いやそれはいくら何でも高すぎだろうと思い、では最低ではいくらですか?と聞くと、その場でええとこれとこれと…と一つずつ言い出して足し算を始めました。ずっと聞いていたわけですが、ひいらぎやも会食中です。友人を待たしていることもあり、申し訳ないけど書類にして送ってもらえますか?とお願いして電話を切りました。お勧めの作業すべてと必要最低限の作業の見積もり、この二点を聞くために10分ほど電話口で計算を待っているという状況になったのです。そして計算が終わらなかったので、必要最低限の作業見積額はわからないままです。
そしてその1時間半後にSMSで写真が送られてきました。見積書の写真なのですが、手書きのメモや修正テープでの修正などがあちこちに入っています。
テキストのメッセージで少し説明があり合計金額がありますが、写真の数字とさっぱり合う気がしません。ひいらぎやはこの雑な見積書を見て、要不要がはっきりわからない状態で作業をされ、高い金額を払うのかと思ったら馬鹿馬鹿しくなってきてしまいました。
ディーラーだからと言う錯覚
これまでひいらぎやは自動車の購入からずっとこのディーラーに整備をお願いしてきました。それはディーラーだから信頼出来るし変なことはしないだろうし、そのサービス品質も確りしているだろうと思ったからです。ディーラーがそれ以外の工場よりも価格は高いことは理解していましたがそこはサービス品質がよいだろうというイメージがあったからお願いしていたのです。
さて、今回そのイメージが崩れてしまいました。ふろむだ氏も言っていましたが、錯覚資産は実際の実力よりも大きく見える部分であり、それはブランドとは違います。ブランドは品質を保証するという正しい実力の部分がありますが、錯覚資産はすべて錯覚なのでそういった品質保証は含まれません。
今回このディーラーは少なくとも接客の品質の能力が無いことが明らかになったと思ったのです。
整理してみると
- 口頭で確認した上で対応が出来ないと言った時間に堂々と電話をしてくる
- それでもごめんなさいすぐにということであれば良いかも知れませんが、十分な準備をせずに電話口で長い時間を使う
- 何種類かの見積もりを作ってくれという依頼に対して、最初に作った見積もりに手書きで正式とは思えないものを出す
ということが今回あったのですが、そういえばこれまでもいろいろとあったのです
- 前の車の故障に伴って新車を購入した際に前の車から移動してくれると言っていた荷物が捨てられていた
- それについて担当者は「すみません今後の整備を割引しますから」として(今となって思えば)その失敗を隠蔽した
- もちろん、今後の整備の割引というのは担当営業が変わると引き継がれていない
- 点検時に洗車をさせてください!というのでお願いしたら汚れが全く落ちておらずやり直しできないのですか?といっても拒否
- さらにこの汚れの上に撥水コートなどをしているので汚れが固定化
その都度、なあなあで納めてしまったひいらぎやがもよくないのですがこうあげてみると結構いろいろとやらかされていますね…。ひいらぎやの中の「ディーラーにお願いすれば大丈夫」という勝手な思い込みが本当に大きかったように思います。
そこでふろむだ氏の本にちょうど出会っていたタイミングだったので、まさかこれが!とおもって、一歩引けたのです。
その後の対応
次の日、担当の営業さんに電話して、もうしわけないけどありえないからもう引き上げますとお願いし、車を返してもらました。車検整備自体はしていなかったので代車および点検費用は無料でした。
そして知り合いの整備士さんに連絡して、いろいろと手書きの修正がはいった見積書の写真を送って(ディーラーは見積もりの原本はくれませんでした)整備をお願いしました。
価格については少し前もって話を聞きましたが、最初のひとことがやらなくて良いような無駄な作業がたくさん入っていますねとのことでした。とはいえ、気持ちよくお願いできていなかったので価格が上がってもいいかと言うくらいでそのまま整備までお願いしました。期限まであまり日付もなかったので。
そして結果としてはなんと半額の11万円で整備がおわりました。聞いて見るとディーラーの見積もりで高額だった車検が通らないといわれていたパーツは確かにゴムが破れていてそのままではNGだったが、ディーラーの見積もりではパーツ全体の入れ替えとされていたそうなのですが、整備士さんによると全体ではなくそのゴムだけ変えましたとのこと。
パーツ全体では5万円以上していたものがゴムの交換で4000円ほどとなっていました。そしてブレーキオイルの交換などもオイル見たらめっちゃ綺麗なんでそのままにしましたとのこと…。
なんだかSDGs的にも全然ダメなんじゃない?
きっと錯覚資産が移動した
ひいらぎやに対して大きな錯覚資産を持っていたディーラーですが、今回いろいろと確認をする上で錯覚であるということが明確になってしまい、逆に資産は大暴落しました。
そして逆に最低限でしっかり安全に車を走らせられ、そして無駄な材料を使わないという知人の整備士さんの錯覚(?)資産は大きく向上しました。ひいらぎやが錯覚と思っている以上、厳密には錯覚資産ではないのでしょうが、どちらにせよ彼の株は大分上がったのです。
ここでもう一つ思い出したのが瀧本哲史氏の「君に友だちはいらない」です。これは縁故的なつながりではなく、自分に実のある仲間を作ろうということを示唆した本ですが、生活を続けるというなかで、しっかりとタッグを組めるような方たちと付き合うのがいいのですね。
有名だからとか、これまでお願いしていたからとかで動くのではなく、これからの人間関係、そして網一歩進めて自分がお金を払う相手についてもしっかりと吟味していきたいと思ったのでした。
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