本著ではamazonが大きくなるにつれて導入をしてきたという会議の方法がまとめられています。会議は参加する人の時間を確保しそれぞれの人の時間を固定的に確保してしまうので、関連の薄い人がそこにいるというだけで無駄ですし、また、時間を調整も難しかったりします。こういったことは最近いろんなところで叫ばれていますが、本著ではそれをどのように効率化するかが具体的に書かれており非常に参考になりました。
【audiobook.jp】 amazonのすごい会議 著者 佐藤将之 |
会議の開催方法を定型化して、決めることを明確にする
本著で紹介されている方法にはなるほどなと思えることが本当に多いです。会議の方法論としてあげられているのに、会議の最初15分は全員黙って資料を読むという事があげられています。
ひいらぎやが参加する会議でもよくあるのが、発表者の発表を遮って「そこなんだけど…」と突っ込みをしたときに、「あ、後で出てくるんですが…」というやりとりです。あ、それならそこまで待ちますとなるのですが、とっても無駄ですよね。
そして、ごめん、そことそこの関係がわからないんだけど…というやりとり。これも資料の作りや説明の仕方が悪いのですが、このようなあたりをまとめて解決しているのがこの会議の最初は全員黙って資料を読むという方法です。
これによって、最初にあげた、後で出てくるというやりとりが撲滅できます。そして、議論の全景を参加者全員が把握して必要な部分だけの議論ができるようになります。
そしてこのとき重要なのが資料の作りかたです。amazonではパワーポイント形式の発表資料は禁止なのだそうです。Microsoft Office的な言い方になっていますがword形式での資料。それもしっかり文章としてまとめた資料が求められるそうです。
パワーポイント形式の資料は基本的に口頭で必要な内容を付け加えることを前提に作られているので、「行間」が激しく存在しています。この「行間」はうまく使えればいいのですがそうでなければ相手に想像の余地を与えてしまうので、事実などを説明するには向いていません。
そこで、Word形式で、しっかり関連する事項の文脈を説明するという方法をとり、参加者が明確に把握できるようにするんだそうです。
ただ、資料も定型化することで作る方も読む方も楽になります。amazonで決まっているのは1ページにまとめるものと6ページにまとめるもの(添付資料を除く)。定型的に資料を埋めていくのであれば必要な要素がわかりやすく品質が保てそうですね。
進行の仕方として最初は資料を読むという事以外にも会議のオーナーという概念があります。この会議で何を決めたいのかという議題を持っている人がオーナーとして進行も担当をし、ちゃんと責任を持って会議の目的を完遂するよう進めるというものです。このあたりは当たり前ですがなかなか出来ていないところではありますね。
どうやって実践するか
本書には先ほどまでで紹介したこと以外にも会議をしっかり管理し効率を上げる方法が書かれています。それはわかるんです。でもどうやって実施するか…。
ひいらぎやが一番無駄だと思っているのは、定期的に集まって偉い人たちがその人たちだけ分かっていれば良いようなことを何十人も集めて話している会議です。いやそれメールでいいんじゃね?と思いますし、本書でもメールで済ませられることはメールでと書いてあるのですが、結局偉い人たちが安心するために行っている会議が多いのですよね。
そこでは効率なんて考えられるわけではなくて、「あの場で話したから」「定期的に報告しているから」でお仕事をしていると思っている人が多いのです。この人たちのマインドを変えないことには、会議の効率化は出来ないのですが、これが難しそうです…。
で、若い人たちでやっている会議は最初から目的が明確になっていて、本著で提案されているところまでは行かないですが活発に議論がされている気がします。もちろん参加する人にも寄るのですが…。
昔びっくりしたのは、ある会議が終わった後に、「ひいらぎやさんが参加した会議は次のステップが明確になってありがたいです」といわれたことでした。
ひいらぎやとは別の組織の人に言われたのですが、いやそれって何のための会議しているの?とおもったのです。このような会議をなくすには先ほどあげたオーナーを決めてその人がちゃんと決めるべき内容を理解しているべきなのですが、こう声をかけてきた人がオーナーであるべき立場だったので、いやそれはあなたの会議の進め方が…、といいたくなったところでした…。
本著に書かれていることをすべて実施出来ればすごいですが、まずは、以下の内容を明確にするとよいかもしれません。
- 会議の責任者を決めて、その人がその会議の目的とその場で決めるべき事を明確にする
- 参加者は事前に資料を用意する
- 終了時間を意識する
- 発表者の話は最後まで聞く
会議というのは一人でやる物ではないので、全員で講師用というルールを決めるのは自分がそれなりの立場にいなければ難しいです。でも、まずは自分が進行をするとき、発表をするときに以上のことを気にするだけでも少なくとも自身のお仕事の効率はあげられそうですね。
【audiobook.jp】 amazonのすごい会議 著者 佐藤将之 |