ひいらぎやが新約聖書と旧約聖書を読んだのは多分10年ほど前です。聖書は世の中で一番売れた本であり、一通り読んでおいた方がいいかなと思ったからでした。キリスト教徒の数が激しく多いのと、ホテルの各部屋に置いてあると言うことからかもしれませんが、とりあえず読んでみようと持ったのでした。本書は「ビジネスマンのための」とありますが、特にビジネス的な見方からの解説があるわけではなく、単純に時間がない人たちのために要約するというものです。聖書を読んだことがない人向けの本ですが、聖書を読んだことがない人にはお勧めしません。著者の意見が入りすぎているので聖書の本当の意図を取れないでしょう。
【audiobook.jp】 ビジネスマンのための「聖書」入門 著者 白取春彦
聖書にあるいろいろなエピソードの紹介が有用
聖書にあるストーリーや登場人物というのは、いろいろなところで切り出されたり、絵画の題材になったりと思った以上に我々はいろいろなところで触れていたりします。
こういったストーリーや名前をある程度切り出して紹介しており、おお、これは聖書の話だったのかと思ったりするので、そういった再発見がありそうです。
また、聖書で説いていることをこのようなストーリーと絡めて、今の人がわかっていて当たり前のことが聖書がもたらしたのだという論調で説明されています。
著者の主観が強く聖書のメッセージを誤って理解する可能性が
解説書とエッセイの違いは自分の意見が入っているかどうかです。聖書のことを単純に説明するのであれば淡々と説明が行われるべきであり、それが「聖書入門」と言うべき物でしょう。解釈の仕方に幅が合ったとしてもそれはそのように注釈をつけて説明するべきです。
本著は、著者がこう思うということが強すぎて当然聖書には書いていないような他の宗教や神話などとの比較があり、そして聖書が最高という論調となっており、このメッセージ自体が聖書の趣旨から外れています。いわゆる解説書として読んでしまうと誤解が生じそうです。
ですので、本著の冒頭にもあるのですが、聖書の世界観を理解するには聖書そのものを読んだ方が良く、また要約版だとしても別の中立な立場でとりまとめた文書を読むのがよさそうです。
とはいえ、一度読んだ人が再確認するにはやはり有用
ひいらぎやは一度聖書を読んだと冒頭で書きましたが、正直膨大な量のテキストを読み、また、あまり印象に強く残らなそうなことが淡々と書いてある部分など、正直右から左にながれてしまっているところも多々あります。
こういったストーリー全体から重要なポイントをひろってまとめナオしてくれているという点では重要だったと思います。