本著は著書が実践してきた速聴による「脳」力の活性化についての本です。初版が1993年ということで、しかもその頃多かったと思うのですが能力開発系の本で、これが出来たらバラ色人生という感じの事が書いてあります。具体的に言うと速聴で脳を活性化させると、全般的な脳力が開花し、判断力、決断力、発想力などが鍛えられ、何でも実現できるようになるというような流れです。ちょっと議論にギャップがあって「それはいいすぎだろう」といいたくなるのですが、それは置いておいて、根本の考え方としてはひいらぎやが最近感じていることに近かったのでなるほどと納得しました。
【audiobook.jp】 決定版 聴覚刺激で頭の回転が驚くほど速くなる 著者 田中孝顕 |
目や耳から入った言葉を脳は必ず追証をしている
懇書のポイントはウェルニッケ中枢です。著者が説くところでは人は物を読んだとき、聞いたときの情報は脳のウェルニッケ中枢でもう一度繰り返し言葉として読み出されその上で理解されると言います。これを「追唱」といっています。
「追唱」の速度は人によって異なっていて、この速度を上げることでそもそもの物事の理解が高速化されるとしています。これはひいらぎやが感じているのと全く一緒で、なにかを読んでいるときは頭の中で言葉を発しているというイメージがあります。ですのでそれ以上の速度にはならないのですよね。
別のエントリ(audiobook.jpで聴いた本。11冊目。何事もスピードアップすることを意識すること。【全速脳 脳は鍛えると100倍加速する】 苫米地英人著)で書きましたが、速読を勉強していたときに、目の動きが速くなっても頭に入ってこないと感じたのは同じ理由です。
速聴で情報入力速度をあげると脳が活性化する
冒頭にも書きましたが、速聴することで、脳が活性化し脳細胞のつながりが密になり、通常3%しか使われていない部分が使われるようになり、判断力や発想力が高まり、そして人生が成功する(笑)、と説きます。
本書の中では、過去の偉人が速聴に近いことをしていたり、音楽関連の仕事をしている方がすごい能力を発揮しているという事を紹介し、速読はすごい!といっていたり、著者が発明した機器や速聴プログラムの受講者の成功体験が数多く紹介されています。このあたりは本当に宣伝文句的で、直接の関連性は全く説明されていません。
せっかく科学的な話から入っているのに残念なところ。
とはいえ、おそらく、脳へのインプットを増やすことで理解能力があがるというのはあるのではないかなと思います。だからといってバラ色人生じつながるかは別の話ですけど。
速聴のための装置として、脳内にアルファ波が現れたときの効率がよいということで、アルファ波を発生させる装置、アルファ波が発生したときしか音声が流れない機械などを開発・利用していたという話などを聞くとある意味すごいなと思います。
どれくらいの速度で聞けばいいのか
本書が発売された頃は、音楽再生に使われていたデバイスはカセットテープだったようです。著者はカセットテープの再生速度を上げる方法を開発したそうです。
カセットテープは今でも有名なオランダのフィリップス社が開発したそうです。これは知らなかったです。フィリップ社がカセットテープの特許を公開した際に、テープの再生速度に制限をつけたため、高速再生ができなかったようです。
ただ、それを高速再生ができるようにクリアしたとしても、当然音声が犠牲になります。速度だけではなくて音声の変化によって理解できないという状況で、聞けるようにするというのがハードルだったそう。さてさて、そんなこんなで高速化を行い、著者は初めてでも3.5倍速でも聞けると言います。
オーディオブック配信サービス – audiobook.jp で、なんとか2.5〜3倍で聞いているひいらぎやはマジかよ!とおもいました。若者であればという注釈がついていたのでそういうものかもしれませんが、なかなか難しそうです。これが出来るのであれば、もしかしたらアルファ波を発生させる装置なども効果があるかもしれません。
本書には、速聴練習用の音源が付いています。1倍速、2倍速、3倍速、4倍速のものです。これをそのまま聞くとやはり3倍速あたりからなかなか厳しいので、ひいらぎやはもうちょっと修行が必要かも知れません。
どちらにせよ、ひいらぎやの体感としても速聴が速読をたすけ、また、audiobook.jpを活用することで大量の本をとりあえず脳に入力できるので、何もしないよりも知識の増加速度は向上しそうと思っていますので、audiobook.jpでの速聴の練習を引き続きしていこうと思っています。
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