本著では大手音楽レコード会社でビッグアーティストたちのプロデュースをしてきた著者が、これまでの社会人としての経験そして、今ニュージーランドで自給自足の生活をするという夢を叶えた経験をもと生き方について説明しています。1冊前に聴いた「マーケターのように生きろ」とメッセージは同じですね。常識だからといって自身を曲げず、自身の得意なところを伸ばそうということがメッセージとなっています。
【audiobook.jp】 人生やらなくていいリスト 著者 四角大輔
人と違って良い
日本では「常識」が重視され、すなわち他人と同じように平準化されていることがもとめられているといってもいいかもしれません。本著で「も」そういうところに合わせなくて良いとしていくつかの項目を挙げています。
いくつか例示すると
- 自分をさらけ出してもいい
- 欠点は直さなくてもいい
- えこひいきをしてもいい
- 好きな人としか付き合わなくていい
などなどです。それぞれ氏の経験の中でこういったケースでこうだったと詳細が紹介されており、それぞれが成功譚として描かれています。
さて、そういった話の裏には、自分らしく生きようというメッセージがあるのですが、これを行うためにやりたいことを書き出してそれにめがけて動いていこうと説いています。これはお仕事のToDoリストではなくて、本当に自分自身がやりたいことです。
そしてToDoに忙殺されてしまったら心が死んでしまいます。本当にやらないといけないこととそうでないことを確り切り分け、他がどう言おうとそれをやり通すと言うことの大切さが語られています。
氏はプロデューサーとして多くのアーティストを世に送り出してきました。そういった際に気をつけることは、他のアーティストが成功したからと言って同じ路線に走らないことを注意事項としてあげています。
それぞれがやりたいこと、できることを押し殺して流行っているからといって同じ事を真似ると、一瞬の流行が終わるとアーティストの未来も潰えてしまう可能性があると。これを自身にも当てはめどのように生きていくかを考えるのです。
とはいえ、逃げ場も用意する
人生のすべてをやりたくないお仕事に捧げてはいけません。やはり逃げ場も必要なのです。著者はフライフィッシュ(ルアーでの釣り)が大好きで、就職活動でも釣りの話をして他の就活生と差別化が図れ、そして、疲れたら釣りに出かけるということで、釣りが人生の中心の一つになったとしています。
誰よりも好きだといえるようなことがあれば人は強いですし、そういったことをまたやると思えば元気もわいてきますね。
そして、仲間を作ることも一つの逃げ場になるのでしょう。著書は北海道に転勤になったときに、毎日担当のレコードショップに通って、自分が好きなアーティストの話をしていたそうです。そして会社が進めるアーティストではなくて本当に好きなアーティストだけを紹介していたと。
毎日話していると、誰かしら興味を持ってくれる人がいるものです。そうやって理解してくれる人がうまれれば自身に価値があると感じられますし、会社ではない別の場を作り出せたことになります。
もう一つ、教職の免許をもっていたというのも一つ大きなリスクヘッジだったのでしょう。人が出来る仕事は一種類ではありません。何かしら手に職をつけてこの仕事で失敗してもいいじゃないかと思えるようにしておくのは非常に大事です。
メッセージは外部の声でなく自分の内側の声に耳を傾けなさいと言うこと
これはいろいろなところで言われている話すぎますが、それぞれがそれぞれの経験上から言っていることなのでおそらく正しいのでしょう。
ただし、それはそうして成功した人だけの声を聞いているからということも忘れてはいけません。本著を聞いていて、周りの人はどう対応していたのだろうと思うと、きっと、著者は自分勝手に振る舞っていただけでなく、外からみても何かしらのメリットを生むような活動をしていたに違いありません。そうでなければクビになっているでしょう。
あまり無茶なことができないとしてもどこまでであれば自分が許容して生きていけるかを考え、そしてそのメモリをできるだけ自分が楽な方にもっていけるかが人生を楽しむポイントだと感じました。