本書はtwitterで筋トレがすべて的な発言をされているTestosterone(テストステロン)氏と精神科医の岡先生の共著です。タイトルにも書きましたが筋肉を育てるのも、メンタルヘルスを健全に保つためにも、食事管理、睡眠時間の確保、そして運動をすることがよいとして、岡先生による各国での研究成果の引用と、Testosterone氏の実体験から、その裏付けをしていくというのが本著です。また、症状の分類についても詳しくまとめており、自分が病気にかかっているかも知れないと、少し不安に思っている方は本著を読むと、可能性がある分類とその対処法がわかるかも知れません。
【audiobook.jp】 心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書 著者 Testosterone, 岡琢哉
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メンタルを健全に保つにはまずは健康的な生活を
結局人間は動物で外界からの影響を強烈に受けながら生きているのですから、そういった影響を均一かつ人間にあった範囲にとどめていく事が大事になります。そこでやはり大切なのが基本的な生活を見直しましょうと言うことです。
ひいらぎやの周りにもメンタルをやられてしまった人が何人もいますが、一度体調を壊してしまうとなかなか戻ってくることが難しいように見えます。本著でも第一部の見出しが「予防 is King」としており、まずは予防することを大前提においています。そのための方法が以下の3種。
- 永遠に生きると思って食事を管理しろ
- 睡眠時間を死ぬ気で確保しろ
- 悪いことは言わないからとりあえず運動しろ
食事については、マクロ管理法によるカロリー管理の仕方やBMIと鬱症状との関連、生のフルーツの効能など、口に入れる物と体重の管理方法などについてまとめています。
本著でとっても好感がもてるのがしっかりとソースの論文や調査を引用していること。これが精神科医の先生が著者として名を連ねている強みですね。もちろん日本人と外国人では結果が違うかも知れないがという前置きを置いた上でですが、世界の研究を紹介してくれているので納得感がすごいです。
そして睡眠時間。これはもう言わずもがなで大事なのですが、日本人睡眠時間の短さを他の国の人とも比べており、やはり納得感。
また、やりがちなんです、やりがちなんですが、お仕事が終わらないからと睡眠時間を減らすと、作業効率が下がって結局時間がかかって悪循環に陥るという指摘も。わかってるんですけどね…。Testosterone氏は質を考える前にまず量を寝ろと言っています。たしかに、寝れないからと言って起きているとなかなか結局しんどいことが多いですね。横になって目をつぶって視覚情報を遮断するだけでも疲れが取れるなんて言うことも聞いたことがあります。
そして当然Testosterone氏ですから運動がつながってきます。運動自体も良いのですが、チームが動くことであれば、そこにコミュニケーションが生まれるので人とのつながりと運動という相乗効果が得られたりもするとしています。
何をするにも心身ともに健康であることが第一ですから、ある意味この3つのことをすればその双方が満たせるとするのであればとても簡単な方法を提示してくれていると言えます。
症状別のユースケースも
紙ベースの本を読むと漫画で紹介さているようなのですが、ひいらぎやは聴いただけなのでわかりません(笑)。
とはいえ、聴いただけでもしっかりとストーリーがわかるように各症状毎にこんな感じのひとのことですという紹介がされています。そしてポイントをまとめてくれており、どれくらい該当したら自分が気にするべきかを理解することができます。
人間なんでもそうなのですが、不安になるとどんどん不安になっていきます。たとえ、それが最善ではなかったとしても、自分の症状がどれに当てはまるかがわかると対処の方法がわかったりするので、実際に動くという方向に舵を切れます。本著はそういう意味で、今健康で今後もずっと健康でありたい方、そして、自分にメンタルヘルスの悪い症状がでているのかも?と思う人にも役立つ本です。
本著の内容はTestosterone氏と岡先生の掛け合い的な形で進んでいくので、オーディオブック的にもとても聞きやすいです。
人間の精神状態の上下は当然あるものですから、これまでにこういった分野の本を読んだことがないかたに知識としてメンタルヘルスに関することを持っておくためにも是非おすすめします。
【audiobook.jp】 心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書 著者 Testosterone, 岡琢哉
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