本書は、世界各国のさまざまな寓話を77つとても簡単に紹介してそれが教えてくれることを著者なりの視点から整理したものです。有名なイソップ童話のものから初めて聴くようなものまでいろいろな寓話をまず知れることが大きく、そして、著者なりの解釈もひいらぎやとは異なっていて違う視座での解釈が知れて、また、複数の視点からの解釈について説明されているものもあり参考になります。
【audiobook.jp】 ものの見方が変わる 座右の寓話 著者 戸田智弘 |
しばらくジョギングをしていなかったので、あまり本を聴けていなかったのですが、この本は2日で聴き切りました。通勤の行き帰りの1時間と、一人飯でラーメンを食べながら。こういう「ながら」で聴けるのがやはりオーディオブックの良いところですね。
子供の頃感じたことと違う事を考えさせられる
まず面白いのは世界のいろいろな国の寓話を網羅しているところです。あ、寓話というのは、先人がこれからを生きていく人たちに対する教えですが、そのままストレートに伝えてもわからないことを、動物に話をさせたり、人間でも愚者をだしたりしてわかりやすく伝えているものです。
イソップ童話でも動物が話をしたり、本書でもとりあげられている北風と太陽などでも、物理現象を司るものたちがお話しをしたり競争をしたりします。そういった中で、それって馬鹿げているだろう?ということや、こうするべきだという事をわかりやすく表現しているのですね。
もちろん世界にはたくさんの寓話があります。ただ、それをこの年になって再度ゆっくり確認してその意図を考えさせる機会を提供してくれました。
みなさんもそうだと思うのですが、小さいころはたくさんの絵本を読んでもらったり、子供向けの大きなひらがなで書かれた本をたくさん読んでいました。ひいらぎやの両親はそういったところにとっても気を遣ってくれていたので本はたくさん読んだと思います。
そういったなかで読んだ懐かしいストーリーを再度おもいだしたり、あの頃は全く感じていなかったその意図を発見できました。実家に帰って古い本をもう一度手に取りたいと思います。
背景の知識もすごい
寓話は世界に星の数ほどあると思うのですが、その受け取り方は当然様々です。そして本当にいろいろな本や教えで、寓話にちかいストーリーが紹介され、それぞれの著者たちの言いたいことの理解を助けています。
ただ、一つのストーリーからは複数の示唆が読み取れることがあります。本書では、「この本では」や「この著者の考え方では」といった、それぞれの寓話の使われ方についても言及があります。そしてしっかりその原著についての記述もあります。
しっかりと誰がどういう場面でどのようなことをいったのかというソースにあたれるようになっているのはとても価値があることです。この本では紙面の都合もあるでしょうし、とても短い部分だけ切り取られているのですが、しっかり理解したい場合は原著にあたれるのです。
そして、僕はこういうことを書き留めておきたいのかもとも
このブログは「思索のあしあと」という名前です。日々何気ないことから考えさせること、何気ない出来事によって示唆されること。そういった日々何気なく考えたことをメモしていこうと思ったのがこのブログです。
著者は「寓話」を題材にそれについて自身が思うことをまとめています。この本に書かれている寓話の解釈はあくまでもこの著者とこの寓話のかけ算で創り出されていて、皆さんが感じることはまた別なはずです。こういったことを書き留めていくことで自分をずっと残せるのかも知れません。
あ、他の本でも同じですが、「著者の考え」と「寓話に明確に書かれていること」は別です。所々に著者の考え方に非常に強く依存している解釈がありますので、そのあたりは注意をして読むと良いと思います。それが悪いと言っているのでは無いです。そこは個人的な意見であると認識しながらよむことがよいということです。
寓話というものは先人の教えをわかりやすい形で書き下した物語です。こういった示唆は世の中のあらゆるできごとから自分がどう感じるかとういところに通じます。本書のタイトルにあるとおり、こういった寓話に隠された示唆をこのように確認をしていくと、目に見えていること、肌で感じていることすべての「見方」「感じ方」が変わっていくかも知れません。
物事を多面的にみる、そのやり方はこの本で少し触れられていましたね。
audiobook.jpで聴いた本シリーズ第4弾です。本書は、頭が良いというのは物事を多面的に見ることができ、それについての様々な知識や考えをもって物事とつなげられることと定義しています。そしてそれは哲学的な考え型であるとして、哲学のお勉[…]