最初にタイトルを見たときにも「日本人」をひとくくりにしてしまったり、それがすべて「何も知らない」といってしまうのは何というステレオタイプかと思いつつも、まぁタイトルってそんなもんかと思いながら聞いてみたのでした。本書では著者の海外経験をもとに、世界での様々な考え方や情勢を知ることができます。そういった知識をまとめて仕入れるためには良い本だと思いますが、著書の主観が多分に含まれていますので、そういうこともあるんだな程度で聞くとよいと思います。
【audiobook.jp】 世界のニュースを日本人は何も知らない 著者 谷本真由美 |
日本人は世界のことを知らないのはその通りだと思うけれど
内容としては世界のニュースが日本で報道されないということ、日本はいろんな意味で恵まれているということ、そして海外からの視点で日本をみるとよいという内容です。
これはその通りですが、一つ目はメディアが悪いというのではありますが、報道されないのはニーズがないからでそういう教育がされてきていないのが問題なのかなとも思ったりします。
ひいらぎやも短期間ではありますが海外に留学したことがあります。このときに思ったのは、これもよく言われていることですが、日本人は日本のことをしらないということです。日本のこういう風習って何でするの?とか有名なあの観光地ってどんな由来なの?とか答えられないのですよね。だから会話が続かない。そして語学の勉強にならない(笑)すみません、これは極論ですが、そもそも日本は安全すぎるので周りにアンテナを張る必要が無かったのだろうなと思うのです。
結局それはにわたまなのですが、先日の地政学の話とも絡むのですが、日本は周りを海で囲まれておりそもそも海外に対する防御が強いので日本内部にだけ意識を向けていれば良かったのでしょう。もちろん現在はそれではいけないのですがそこから脱皮できていないのかもしれません。
とはいえ、本書がいう世界のニュースに目を向けることは大事
サイバー世界のことを持ち出すのももう言い古されていますのでそれはやめて(笑)、今は新型コロナウィルスの感染対策については海外のニュースは非常に重要ですよね。どのような対策を打ったX国ではこういう状態です。というニュースは非常に多いです。
しっかりした統計を確認したわけではないのですが、そういう意味で海外に関するニュースはこの新型コロナ禍においては増えているのではないでしょうか。そういったところからでも世界の情勢に少しでも興味を持ち、そして少しずつその分野を広げられると良いのだろうなと思います。
でも本書のエビデンスはちょっと貧弱…
エッセイならいいんです。でも本書に出てくる「世界」は著者の知り合いはとか、なんとか大学の論文では(論文のタイトルや著者は示されていない)といった風にいやそれ本当なの?と突っ込みたくなってしまうところがたくさんありました。
それぞれの例がどれだけ「世界」を代表しているのかはちょっとわかりません。どの本でもやはりそうなのですが、本書で主張されている例も一部ではあるんだなという視点で読む/聴くとよいと思います。
そしてやはり落とすところではすごい勢いで日本を落としているのもやっぱり気になりました。そういうところはまさに日本人だなぁと…。