前にも書きましたがこのブログをおいているサーバがもっさりとしていて、Webのレスポンスも非常に遅い感じだったので、ちょっといろいろと考えていたのですが、そもそもなんで「クラウド」サービスで動かしているんだっけと思い始めてしまいました。ひいらぎやのサーバはWebとMailをやっているだけなのでたいしたパフォーマンスは要らないですし、複数のファンクションやサーバを連携させて使うというようなことも全く想定していません。それってVPSでいいんじゃね?という気がしてきたのです。以前のエントリは念のためこちらに。この記事ではひいらぎやがさくらのクラウドからVPSにお引っ越しするに至った思考過程を紹介します。基本値段が安くなって追加料金なしでIPv6もつかえるということですが…。
ひいらぎやのこのサイト https://www.hiiragiya.net/ はさくらのクラウド上にCentOSを動かしてメールサーバとWebサーバを運用しています。 このあたりに少し詳細があります。 https://www[…]
監視データを見てみる
とはいえ、↑のエントリでも書いたとおりmackerelでパフォーマンスの繊維を監視することにしました。そしたらたまになのですがこんな状況がでていました。
小さくて申し訳ないのですが、ドキュンとグラフが波打っているのは見えると思います。真ん中がCPUですが、100%の上限を叩いています(ちなみにサチるといったりします。「飽和」を意味するsaturationからです)。そのタイミングでロードアベレージが2を超え、メモリ(2G)もあふれています。
まぁ普段暇しているので余り問題は無いのですが、ここで見えないもっさり感があって、ブログを書くのがしんどいのです。で、とりあえずメモリだけ4Gにしたところ、ブログのもっさり感はあまり変わりませんが、Linuxにログインして作業したときに、ファイル編集の後にコマンドプロンプトが帰ってこなかったりすることはなくなりました。これ実はすごいストレスだったのです。
そしてVPSへ
とはいえ、Webはまだ重くてどうしようかなと思っていたところ、先ほどのVPSでいいんじゃね?と気づいて、まぁいろいろと世の中にはサービスがありますが、さくらインターネットのサービス同士ならアカウントも新規に作る必要が無いし、さらに2週間無料でお試しできる(いくつかの制限はある)ので、とりあえず動かしてみようかと思いつつ始めたのがきっかけだったりします。ただ、その時点で以下のメリットが見えていました。
- 同じくらいのスペックならクラウドよりも自由がきかない分お安い
- クラウドだとスイッチ+ルーターを別で買わないと使えないIPv6がさくらのVPSは標準装備
それと実は3年前に作ったこのサーバはCentOS7で動いています。運良く?というか放置したままだったのでCentOS8にアップグレードしていなかったのはよかったのですが、CentOS7/8はすでにサービスの終了が発表されており、乗り換えをどうしようかなと悩んでいたところでもありました。運良くといったのは、CentOS7はもちろんCentOS8よりも「古い」バージョンですがCentOS8よりも後までサポートされると発表されているのです。変更もありましたが、いまのところCentOS8は2021年12月31日まで、CentOS7は2024年6月30日までとされています。
まだ4年半あるよねとは思いつつも、積極的なアップデートはされないでしょうから次のディストリビューションをどうしようかと考えつつ移行は考慮していたのでした。CentOSの後継になるだろうといわれているディストリビューションもいくつかあるのですが、それぞれまだまだ決め手に欠ける感じです。
なおCentOS自体はなくなるわけではなく、CentOS Streamというものに注力することになるそうです。CentOSはざっくり言うと商用のRedHat Linuxから商用パッケージを取り除いたもので、無料で使えます。商用のRedHatで使われているパッケージが中心になるので安定していたといえます。
ところがCentOS Streamは立ち位置が違います。将来的にRedHatに導入されるパッケージを導入するものになるので、ある意味安定性としてはCentOSよりは落ちる可能性があるのです。とはいえ、CentOS Streamが一番最初のテスト環境と言うことでは無くてFedoraとかFedora Rawhideなどがあるので、そこまで不安定ではないでしょう(と信じたい)。
そしてwordpressが遅いのですよ
はい、これです。で、ここにCentOS Streamのお話しをしたところにつながっています。
kusanagiというパッケージがあります。これはwordpressなどのCMSを高速に動かす為のいろいろな設定が既に入っている環境とのことで下手をするとwordpressの動作が10倍になるそう。まじかよ。と思いつつ、最近そもそもwordpressの設定の勘所がつかめなくてこまっているので、wordpress様とひいらぎやの仲介をしてもらったら幸せになれるのではないかと思ったのです。
さくらのVPSではこのkusanagiが動く標準ディスクイメージが2バージョン(8と9)提供されているのですが、それぞれCentOS Stream上で動くのです。
まとめると
はい、ここで、落ちです。ここまで含めて合わせ技でkusanagi9をさくらのVPSで動かせばいろいろと問題が解決しそうだったのです。
- CentOS Linuxのサポート切れに伴うOSのお引っ越し
- kusanagi導入によるwordpressの高速化
- https://www.hiiragiya.net/ のIPv6化
- そして価格もおそらく下げられる
いいことばっかりじゃないですか。そしてこれにプラスして
- 3年前に構築したこのサーバの設計思想を忘れた
- 新しい技術に触ってみたい
といったところもあります。
さてさて、前提が長くなりましたがということで、次回からさくらのVPSへのwordpress環境の構築のお話しをしようと思います。正直wordpressのもっさり感は、たまにCPUとかメモリの不足が発生していますが、一日に一回とかなので、きっとスタイルなどの問題だとおもっていました。ただ、kusanagiに実装されている機能の分だけプラグインを減らせるので(どれが要らないかとか考えないといけないのですけど)、少しは改善するんじゃないかと思ったくらいです。
あとは、ちょっとOSの挙動がおかしい気がしていて、気持ち悪かったので(技術者ならちゃんと調べろよ)というとこもありますが、なにより、わくわくしてしまったので作業を進めることにしたのでした。
さて、まだこの時点では動作させてはいませんが、さくらのVPSのお申し込みはこちらから。(動かし方は別の記事にあります!)