「勘所を押さえる」っていいますよね。最近はあまり使わないでしょうか。三味線をならっていると勘所が違うとかツボが違う!とよく言われます。そうです。「勘所(かんどころ)」の語源は三味線からきているようです。勘所を押さえると音が変わってしまうので曲が正しく弾けないのです…。ですのでちゃんと勘所を正確に押さえることが大事なのです。
実際勘所がどこかというとまずは三味線の棹を見てみましょう
これがひらぎやがお稽古につかっている三味線です。ちなみにヤフオクで2万円くらいで落札しました(汗)。
ちなみに本番用の象牙のネジがついている三味線も賞味3万円くらいで落札しました。三味線やさんにみてもらったら60万円はくだらないですねといわれました。が、安く手に入るのは良いのですが、これでは三味線の製造会社が持たないですね…。
さて話がそれました。これを見ていただいてわかると雄物ですが、三味線の棹にはギターやベースと違ってフレットを明確に区切る金具などはありません。
弦楽器ですので押さえる場所で音が変わりますが、ギターやベースはフレットの中を押すと、両側の盛り上がった部分に弦があたって、振動が伝わる場所が途切れるわけです。
要するにギターやベースはフレットのなかのどこを押しても音は同じになります。でも三味線はそれがないので、指でおす場所そのものが音をきめることなります。この場所こそが勘所です。
ですので、勘所を押させることが本当に重要で、勘所を押さえられないと曲が台無しになります。これが語源ですね。
でもどうやって押さえる場所を覚えるのか
勘所の説明はよいとして、では初学者はどうやって勘所を押さえられるようになるのでしょうか。
実は棹は3分割できるので、木の継ぎ目があります。この部分が何番ときまっていたりだとか、何カ所かだけ最初からマークがつけられています。そこを見て勘所を探るのですが…。いやまぁ無理です(笑)
ということでこういうことになります。
先ほどの棹の手前側の側面です。よく見ると番号が書いてありますね。これが押さえるところです。ちょっとずれていたりしますが、なぜかというとシールを買ってきて貼るわけです。
譜尺シールで調べるといろいろと出てきますが、100円から200円くらいで買えます。このシールを貼るときは実は4であわせたのですが、やはり三味線の個体差でしょうか。少しずれています。本当は1が棹が膨らんでいるところの切れ目ギリギリになるのでもうちょっと上なのですよね。では4はどうやって合わせたかというと…。
4のところに肌色でちょっとマークが付いているのが見えるでしょうか。あと、切れ目も。
ここが棹が分解できる境界で、ここが4となるように調整されています。ですのでここに合わせてシールをはったのですね。ちなみに棹のもっと下の方をみてみましょう。
写真だとわかりにくいのですが10から下(胴の近く)というのは非常に勘所が詰まっています。短いところだと1.5cmないくらいですので、指一本の差で別の音になってしまいます。
これをシールなしで体で覚えておかないといけないのでなんとも職人技の世界だったりするのです。
なぜこの記事をこのタイミングで書いたかというと今習っている小鍛治が、この下の方を連続でしかも早めに音を変更しながら動かないといけないので勘所を押さえるのが本当に大変なのでした…。ただ弾けるととってもかっこいいのでがんばっていきまーす。
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