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一つの通信メディアに頼るという脆弱性

過去の記事を復活させてみるシリーズです。これは3年ほど前の記事です。海外出張は今はハードルが高いですね。この記事を自分で読んでみると現在でもあまり変わっていないことに絶望します…。

さて、実はひいらぎやは今お仕事のためシンガポールに来ています。もちろんシンガポールにきているからといってお仕事をしなくていいわけではないので、こちらでの会議の傍らメールを読みながら仕事をしようとしているのですが、実はいろいろとあってメールが読めない状況になってしまいました。

Single Point of Failure 単一障害点は排除すべし

そう、普段メールをメインの通信手段に使っているので、これでお仕事がしっかりストップしてしまいました。情報システムの世界では障害が起こるとシステム全体が動かなくなってしまう単一の場所のことを単一障害点(Single Point of Failure)といいますが、まさにひいらぎやのお仕事にとってメールで連絡をとっているということがOne Point of Failureになってしまったのですね。

もちろん、イマドキ他にもチャネルはあります。Skypeやslack、その他のグループウェアなども併用してお仕事をしているのですが、チャットがメインのSkypeやslack、掲示板系の連絡メディアなどにすべてを移せるかと言えばそういうことでもありません。

とすると、どうするかということですが、メールサーバは職場の「情シス」が守ってくれるという前提とした場合には、複数のMUA(Mail User Agent)を持つということが解になります。どういうことかというと全く違う方法でメールを読める手段を持っておくと言うことですね。

普段はパソコンのメールソフト(これもMUAです)でメールを読んでいるとしたら、(情シスに調整して)WebMailを使えるようにしておくだとか、別のメールソフトを用意しておくだとか、はたまた、メールを別のサーバーに転送しておくなんていうこともできます。これらはそれぞれ違うレベルでの冗長性(ある障害に対して代替する手段)を提供しているので、一概にどれがよいということにはならないのですが、このようなことを検討しなければいけないのです。

さて、ひいらぎやのケースでは、メールボックスに30万通以上のメールがあり、WebMailはタイムアウトで使えない、メールソフトは複数個入っていますが、今回の問題はそこではないので意味は無い、他にもVPNで日本にあるマシンにログインしてメールを読むということも、やはりメールボックスが大きすぎて、OutLookが悲鳴をあげて読めないということでそもそも冗長性が確保出来ていなかったと言うだけです(笑)。普段からサボっているだけということなのですが、これを反省点として帰国したら少し調整をしようと思います。

ところで他の通信手段はつかえるのか

さきほど、Skypeやslackというキーワードをだしました。最近はメールなんて古くさい、slackにすべて集約だ!なんていっている方もたまに見かけますが、そんなことは全くありません。おそらくslackをちゃんと使ったことがない人の意見でしょう。

チャットというメディアはそれぞれがレスポンスしやすく、ぽんぽんと話が進んでいくという魅力があります。固い言葉を使わず短文を細かくやりとりすることで迅速に物事を決められるという要素がある一方で、後で最終的に決められたことを探すのが非常にやりにくかったり、後から入った人が話の流れを把握するのも大変というデメリットがあります。

チャットメディアでの会話は使い捨てとして、その経緯や、最終的な結果は別のメディアで保存すると言ったように、それぞれの長所を活かすような使い方をしなければ結局破綻するのが目に見えています。

とはいえ、メールだけではもう正直どうもなりません。メールからの脱却と言うことでこのようなメディアがでてきているのは歓迎する動きです。現在は過渡期だと思いますので、より意思疎通がやりやすく、そして結果の一覧性がよいコミュニケーションチャンネルの登場を願っていたりします。

おそらく、メールと、チャットと、トラブルチケットなどの特性をもったあいのこが産まれるのでしょうけれど、それらをそのまま使ったグループウェアなどが使いにくいのでまだまだ時間がかかるかもしれません。

(この記事は2018年10月10日 10:10 PMに公開した記事に追記したものです)

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